A Tim Burton Masterpiece― to push the Dark Knight into an even darker and stranger world of heroes and villains!
バートンは ヒーローと悪役を さらにダークで奇妙な世界に!
ティム・バートンが製作・監督を務めた『バットマン リターンズ』は、箱庭 ≒ドールハウス的世界観や精巧な人物描写が魅力✨{人形の家≒英:doll’s house、米:dollhouse}
マイケル・キートンが、より風変わりな冬のゴッサム・シティに戻ってきて、内省的なバットマンを演じます。Michael Keaton return to weirder and wintery Gotham City for a more personal take on Batman.
“孤独なマイノリティの哀しみ”『ジョーカー』の元ネタ
2019年ホアキン版『ジョーカー』の倒錯した作風があまりにも強烈で、かつ世間でヒットした事から、92年の『バットマンリターンズ』を振り返ってみます─
🦇シリーズ中、最も「暗くて魅惑的」な逸脱者たち
人気のノーラン作はリアルに寄せたHEROプロットで感情移入できる。対してバートン節の本作はシュールで芸術的。主役は個性的なヴィラン=(悪役<弱者)で、構造は『ジョーカー’19』そのもの。ヒーローアクションの痛快さは無く 滑稽に{悲哀}を込め 現在のCG-showには醸し出せない…{🌹演劇的な世界観}です。ペンギン男やキャットウーマンなど異形への愛、「TOKYO五輪」で“障害者・ホロコースト”への人権意識の低さが露呈した今、テイム・バートンが「訴えたかった事」が真に迫ってくる。映画好きなら♬ダニー・エルフマンのスコアを流し聴きしても 愉しめます。(とはいえランダムに出入りする過程が長いですが…汗 好きな人にはたまりません)
◆時代を超越したブラックな御伽噺、未だにモダンな怪作です
Batman Returns「Shadows of the Bat: Dark Side of the Knight」
【🐧ペンギン男】不幸な生い立ち… / Danny DeVito as the misanthropic and twisted Penguin
オズワルド・コブルポットは『シザーハンズ(90)』を引き継いだような寓話風。両親が乳母車ごと川に投げ捨ててしまう、その後 閉鎖した動物園に取り残されたペンギンたちによって育てられ「両親に会いたい、ほんとうの名前を聞きたい、人間扱いされたい、地上に出たい」切なる願い…。アヒル戦車で🐣愛嬌とともに“出生への拘り”を演じたダニー・デヴィートは、もっと評価されるべき怪演です。両親不在はブルース・ウェインとの同情を呼び起こし、起業家に利用される様はいたたまれない。
弔うシーンは(温暖化として後付けも可能で)悲し過ぎます…。
【🐈Catwoman】発言権の無いウーマンから~豹変「ミャ~オ」/ Michelle Pfeiffer as the slinky and dangerous Catwoman
出色は、ミシェル・ファイファーの“心の葛藤”です。つぎはぎが “夜なべ手芸”の可愛さと、媚びるコトをやめたゴシックな美しい光沢を放つ✨=バットマン/ブルースの二面性を合わせ鏡のように体現したキャラクター。
仮面舞踏会に素顔で現れる“二人”こそが、実社会で仮面を被っているという、個よりも経済を優先する社会の生きづらさ。トリビアですが、ノーランの『ダークナイト・ライジング』でもブルースとセリーナ・カイルが舞踏会で踊るオマージュがあります。
やがて手を組んだキャットとペンギンは、マスコミ操作でネガティブキャンペーンを張り、邪魔者バットマンを追放しようと企む。さながらロビイストw
【🏭素顔の資本家】独占を企む実業家マックス・シュレック / Christopher Walken as the Max Schreck
クリストファー・ウォーケンがハマり役。ボブ・ケインの原作漫画には登場しないキャラクターです。石油業界のロックフェラーセンターが象徴する億万長者ビル… マックスの名前は、ドイツの有名な吸血鬼映画『ノスフェラトゥ(22)』”Nosferatu”(吸血鬼は病気を運んで来る)の主演俳優から採られています。
荒廃したゴッサムシティで富を吸う寄生起業家、経済自由主義(市場と生産手段の私有を強く支持する)「富の独占」汚職が、現在なお 問題視されています。脚本家達が映画用の新しい人物像を構築している所に、「先見の明」ある“風刺”が傑出!『ジョーカー’19』でもボカしていた起因を明示している。
バットマン、キャット、ペンギンは、クリスマスも周囲と幸せを共有できず、孤立する者同士がバトルで傷を舐め合う“競争社会”の虚しさ。本当は惹かれるのに…強者×弱者の相容れない“復讐劇”に「幸あれ」…
モノには恵まれているけど、人との関わりが希薄になっている現代人─
誰も善意や利他主義として際立っていない、この街では おそらくブルースを除いて「思いやり」が無いことを示唆している… 欲望×命取りな⚡Kissに痺れました(╹◡╹)
日本で具体的に例えるなら、障害者施設が未だに なぜ山間部や郊外に在るのか…1960年代に[分離政策]が有ったのです。障害者に門戸を開いた1964東京大会から57年ぶり2度目のオリパラでしたが、「“障害”は個人ではなく社会にある」という“心の貧しさ”を今一度 思い出させてくれるファンタジーな快作です。(東京地検特捜部はあと金星幾つとれるのかなぁ(*□˟๑ )
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